胡さんがんばる?

 コメント欄で1読者さんに教えていただき、また『日々是チナヲチ。』御家人さんのエントリー「おお人民服だ。」を拝見して、なるほど、そういう読み筋もあるのか!、と偉く感動してしまったのでそのまま後追いでネタにする。

 5月30日の『人民日報』第一版に胡錦濤が6月1日の「国際児童節」にあわせて5月29日に「総政治部小紅星幼児芸術団」(総政治部って・・・、ごっついのぉ)を訪問し、子供たちの歌と踊りを参観して、その挨拶を受けたとの報道がある。

http://www.people.com.cn/GB/paper464/14863/1318516.html

 写真を見るに胡さんも普通に和んでるようだが、記事の行間からは何やらごっつい空気が漂っている。何がごっついって、胡錦濤に同伴した人たちがごっつい。

 抜粋してみると、中共中央政治局委員・中央軍事委員会副主席郭伯雄中共中央政治局委員・中央軍事委員会副主席・国務委員兼国防部長曹剛川、中共中央書記処書記・中央軍事委員会副主席徐才厚、中央軍事委員会委員李継耐、廖錫龍、喬清晨、靖志遠。って、中央軍事委員会のメンバー引き連れてんじゃねーか(若しくは逆に引き連れられてる?)。曹剛川とは関係が緊張しつつあるなどという説もあったが(参照)、うーん。

 さらにごっつい点。胡錦濤に肩書きを付ける時は「中共中央総書記、国家主席、中央軍事委員会主席」と必ず連呼。核心領導の中の核心領導は俺っちだもんねー、と言わんばかりである。普段の『人民日報』でもこの調子だっけと、ニュージーランド首相と会談という記事を見てみたら、ここでは「国家主席胡錦濤となっている。軍事ネタの時は特別なのだろうか?

http://www.people.com.cn/GB/paper464/14871/1319250.html

 以前(参照)、呉儀副首相のドタキャンに際して胡錦濤と曽慶紅が協議という記事を見て、胡錦濤かなりやばい?と考えていたのだが、どうもこのニュース、中国国内のメディアにはまだ出ていない様に思う(私が知らないだけだろうか?)。報道の発端は香港の『亜州週刊』という雑誌の記事で、その後中国国内で報道されるかが一つの指標になるかも知れないと見ていたのだが。この協議が、もしも対日融和政策(反日デモの鎮圧、呉儀の日本派遣)を進める胡錦濤とそれを止めさせる曽慶紅という構図であったなら、呉儀小泉首相との会談キャンセルと「堂々の」帰国は、中国における新たな神聖不可侵なイデオロギーである「反日抗日」「愛国主義」の旗手として曽慶紅の正当性を高め、その権威と影響力を拡大することになるのではないかと考えていたのだが。そして、この構図が正しいのならば手柄は宣伝しなければならぬ、何がしかの動きがあるに違いないと考えていた。それ故に、この報道が中国国内でなされるかを一つの指標と考えたのだ。しかし、どうも中国国外からの報道ばかりで、中国国内ではまだ動きが見られないようだ。

 そして、今回のこの軍中枢とのパフォーマンスである。この胡錦濤の軍中枢への「懐柔」(逆に取り込まれている?)に対して、上海閥は、そして「太子軍」はどう動く?さあ、混沌としてまいりました。次週、君は刻の涙を見る(ウソ)。