2006-01-01から1年間の記事一覧

経済的な左右のイデオロギーはどう政治に絡むのか?

前回のエントリー(参照)で中国における改革派と保守派(新自由主義vs新左派)の論争がどうも激しくなってるっぽいという話をしたのが今回はそれをどういう政治的な文脈で理解したらよいのか考えてみたい。 前回コメントでkaikaji先生からの御指摘。 私もこ…

水面下で進む保革激突の構図

以前に『財経』にのった皇甫平*1の「改革を動揺させるな」(参考)の時にも伺えたが、中国の内政を巡って新たな右派と左派の対立が生じている。いわゆる右派とは「新自由主義」とも呼ばれる、市場原理を通じた経済運営を重視し、さらに中国の市場化を推し進…

ヲチの流儀(改訂版「ネタとかネタ元とか」)

情報収集の目的は、現在の状況、変化の発生を捉える「観測」を行い、その得られた情報の確度(確かさ)を推測ないしは判断し、確度の高い情報の中から何が起こっているのか、どのように変化しているかを分析し、他の情報の分析と比較、融合し、その結果として…

「力」について

力とは、人の、他の人の心と行動に対する支配の力である。そして、そのもっとも具体的で、判りやすい形として、物理的強制力、すなわち暴力が存在するだけであり、それにいたる過程には、さまざまな段階が存在するのである。 したがって、これから先、軍事力…

「よいこ」像の変遷に「中の人」を思う。

武田雅哉、『よいこの文化大革命』、廣済堂出版、2003年 現在、「中国宏観経済与改革走勢座談会紀要」なんぞという糞長い文章をノートつけながら読んでいるわけですが、そこに丁度この本が配送されて来たので気分を変えようかと読んでみたところ面白くて一気…

ユートピアンとリアリスト

もし目的が思考に先行して、思考の道筋をきめることになるなら、人間の心が新しい分野で働きはじめる場合に願望とか目標がつよく前面に出て、そこでの事実や手続きを分析しようとするゆき方を押さえ込み、この方向に伸びる芽さえ摘みとる形で事がはこばれる…

「侠」或いは秘密結社についての断片的メモ

朋友N′s氏曰く「まとめられない文章はメモってことにすりゃいいじゃまいか」という素晴らしいことを言っておられるので早速マネすることにする。(参照)1-1 侠: 子分をかかえて仲間どうしで協力する人たち。男だて。結社をつくり法に従わないが、義理がた…

果たしてツンデレなのか?そしてツンデレは最強なのか?

衛慧、『ブッダと結婚』、講談社、2005年 前作、『上海ベイビー』も確か文庫版を読んだはずだったんだが、ああ中国はバブルなんだなあ、という感想以外は綺麗に忘れてしまった。今回も、やっぱり中国(特に上海)はバブルなんだなあというのが先ず感想。しか…

紅い資本主義の行方はどっちだ?

興梠一郎、『中国激流―13億のゆくえ』、岩波書店、2005年 2005年7月20日に第1刷が発行されて、2006年1月16日には既に第6刷発行となっている。新聞や雑誌などのマスメディアに載る多くの中国情報が物足りない昨今(無論、良質の情報もあるけど)、この本の様…

『〈鬼子〉たちの肖像 中国人が描いた日本人』

武田雅哉、『〈鬼子〉たちの肖像―中国人が描いた日本人』、中央公論新社、2005年 ネタのレパートリーを増やそうかと思い書評の真似事などしてみようかと思う。というか、書評というほどのものでなく読書記録というか、感想文程度のものだと思っていただきた…

中国における支配の問題に関する若干の考察

権力というのは政治的強制力、もっと言えば物理的な暴力である。英語というのは中々に見も蓋も無い言語で、権力は“power”と訳される。真に権力というものの本質的な意味を表わしている。したがって国家の権力とは具体的な暴力装置である警察力であるとか軍事…

皇甫平「改革を動揺させてはならない」を読む

前回触れた皇甫平の評論だが、政局がらみじゃなくても中々面白いことが書いてあったので、皆さんと「享受」すべくざっくり翻訳して見た。現在、中国国内で論争の焦点となっているのはどういう問題なのか、というのが大まかに見えてくると思う。なお、文中の…

李大同の公開書信を読む

中国青年報が発行していた『氷点』誌が当局からの圧力により停刊となった事件はご存知のことかと思う。日本語の新聞記事リンクはすぐに切れるので一部引用すると、 中国有力紙「中国青年報」の付属週刊紙「冰点週刊」が、24日に停刊処分を受けたことが、同…

農民の「反乱」現象についてあれこれ(2)

前回は枕で終わってしまったが、今回は本編。前回の話は忘れてこっから読んでもらった方が良いかも知れない。前回は脱線し過ぎた。 さて、農村での集団抗争事件についてである。農民の集団抗争事件というもの自体は実は人民公社時代からあることはあった。も…

農民の「反乱」現象についてあれこれ

最近になって報道が増えてきてる中国の集団抗争事件、特に農村のそれは多くの人の耳目をひきつけていると思われる。ネット上に溢れる言論などを眺めるに、或いはかつての王朝の様に、或いはかつて中国共産党が天下をとったように、農民の「反乱」が中国分裂…

ぼちぼちと

ぼちぼち更新を再開していこうかと思う。本業の方は1月の頭に無事終了したわけだが、その後暴飲暴食を繰り返してしまい今に至った。むしゃくしゃしてやった。今は反省している。 個人的な理由と、ちょっと思うところあってこちらは中国観察を中心に更新して…