2005-01-01から1年間の記事一覧

中国ヲチの方法論

何となく中国ヲチの方法論などメモ。 派閥主義アプローチ ここではある指導者とその政治的な支持者間の私的な人間関係を中心としたネットワークを派閥と定義する。こうした派閥は弾力性を有しており、何かしらの巨大で正式な組織に属しているわけではない。…

胡錦濤は中央政治局の主導権を掌握か

目下の中国政治の焦点である十六期五中全会は10月8日から11日までの開催と決定した。また、10月上旬にはロケット神船六号の打ち上げが予定されており、それに合わせて、五中全会で決定される大十一次五カ年計画の開始を「中国の科学技術の全面勝利」とかいっ…

中国農村の歴史的な因果は巡る

国家権力が郷村社会をその勢力範囲に包摂しようとする過程において、国家の財政が直接に郷村社会をコントロールするための官僚隊伍を支えきれないことから、国家は郷村社会に低コストの代理人を求める必要がある。しかしながら、国家の代理人の権力は異化し…

和諧社会は胡錦濤印の金太郎飴か?

香港の『大公報』は五中全会が10月上旬の最後の幾日かに開催されると報道している(註1)。この報道は9月25日付けの『香港文匯報』の報道とも符合する(註2)。更に日本の時事通信は具体的に10月10日前後に数日に渡って開催されるとしている(註3)。 『大公…

動き出す五中全会

香港文匯報の報道によると、第十六期五中全会(第十六期中央委員会第五回全体会議)の日程が近々開かれる中共中央政治局会議で決定されるとのこと(註1)。五中全会は中国の「国慶節」、つまり10月1日から始まる休日の後に開かれる可能性が濃厚である。また…

展開を見せる広東省番禺区魚窩頭鎮大石村の抗争事件

以前に何度か書いた大石村の件(参照1、参照2)が新たな展開を見せているので、事件のその後について書いてみようかと思う。 前回は9月1日の早朝に番禺区政府前に座り込み、ハンガーストライキに突入した大石村の村民が武装警察に排除されたところまで書いた…

踊る中共の権力核心-死せる胡耀邦、活ける胡錦濤を走らす(3)

前々回、前回の続きです。 更新が遅れてしまった。すでに話題としては遅きに失した感があるが胡耀邦の再評価の動きについて思うところを述べたいと思う。 こうした動きを先ず報じたのはロイター通信でそこでは、「国民に人気のあった胡耀邦氏の追悼集会は、…

踊る中共の権力核心―将を射んとすれば先ず馬を射よ(2)

前回の続きです。対台湾政策と抗日戦争観の変化 さて、胡耀邦絡みの話を始める前にもう一つの路線闘争、台湾政策についても触れておきたい。本来、江沢民時代と胡錦濤時代の台湾政策に大きな変化は無かった。両者は台湾では「江八点」と呼ばれる江沢民が提起…

踊る中共の権力核心−権力闘争はいよいよその核心へ?(1)

中共の権力核心周辺の権力闘争は、隠微なサボタージュ、人事を巡る陣取り合戦といった段階から、いよいよ路線闘争と自らの主張するイデオロギー同士の衝突へと突入しつつあるようだ。中国的な政治文化にあっては、路線闘争とイデオロギー論争は常に権力闘争…

抗日戦争勝利60周年記念大会にまつわる政治力学

9月3日に行われた中国の抗日戦争勝利60周年記念大会に関する評論などをつらつら読んで見ると、中国共産党の唱えるお経部分を除くと注目すべき点は以下の三点に絞られるかと思う。(1)胡錦濤との対立が囁かれる江沢民の動向、(2)胡錦濤は国民党が抗日戦争…

広東省番禺魚窩頭鎮大石村の事件に関する追記

事実誤認があったのでその訂正から。大石村の村民が座り込みを決行したのは魚窩頭鎮政府ではなく番禺区民政局である模様です。この点に関して前回の文章を訂正しました。更に後半部分事実関係が曖昧なのと9月1日早朝に座り込みをしていた村民が本格的に当局…

中国農民の目覚め?

写真は『RFA』より転載。勝手に転載もあれだが、多くの人にこの事件を知ってもらうほうがいいだろうという趣旨で敢えて。魚窩頭鎮政府の前で座り込む大石村の村民。 前回触れた広東省番禺魚窩頭鎮大石村で起きた村民委員会主任(村長)を巡る村民と各種基層…

中国の集団抗争事件はますます深刻に

『美国之声』(Voce of America中文版)の8月29日付「中国一年发生七万多次民众抗争」という記事によれば(註1)、台湾の行政院大陸委員会(註2)は昨今の中国における集団抗争事件に関する報告を8月29日に発表した。発表されたのは『近期中國大陸群體性抗…

五中全会前夜

中国的な慣習では旧暦の7月は中元普渡もあり「鬼節」といって幽霊の季節だ。うろ覚えだが確かあの世とこの世の間にある扉がこの季節は開くんだったか?この間などそこらじゅうで紙銭だかお札だか燃やしていて、歩道で燃やすものだから通行するのに熱かった。…

党中央は軍の安定維持に躍起?

8月15日に中国人民解放軍の機関紙である『解放軍報』が報道した中央軍事委員会が近く発布するという『軍隊貫徹執行「中国共産党紀律処分条例」的補充規定』なる規定が色々と憶測を呼んでいる。『軍における「中国共産党紀律処分条例」貫徹執行のための補充規…

中国の民間組織(反日もあるよ)

前回、中国泛藍連盟をネタにしたが何故か大紀元もこの事件を大プッシュ。「中共鉗制言論自由 藍聯盟總群網路遭封」『大紀元』2005/08/16 「抗戰勝利日 中國大陸泛藍聯盟群緊急呼籲釋放孫不二」『大紀元』2005/08/16 一つは大紀元の記者が取材した記事、もう…

新キャラ?中国泛藍連盟

控肉飯うめぇー!つうか台湾の豚肉は大丈夫なのか? さて、8月15日がやってまいりました。中国じゃ、事前にはやれデモの呼びかけだとか、メディアの反日キャンペーンだと賑やかであったようですが、今のところは何にも起きてない模様。まずは在中日本人のた…

有名人三人を上げる

「中国:日本好き、わずか3% 英字紙の印象調査」『毎日新聞』2005年7月6日 記事では「有名な日本人は▽小泉純一郎首相▽東条英機元首相▽旧日本海軍元帥の山本五十六−−だった。」ということだが、中国の大学生は生真面目というか、ストレート過ぎるというか、…

ニュースメモ:太子軍の台頭

最近、劉亜州に関する報道が『産経新聞』でなされたようで、劉亜州関連で検索して当ブログを見て頂く機会が増えたようだ。それでネタとしては6月11日の記事ということもあり古いが、大紀元の記事をご紹介する。勿論、大紀元の記事ということもあり、体制に対…

中国のプロパガンダポスター

諸般の事情により長時間のネットサーフィンと言うのは不可能な状況にいるので(泣)、主にオフラインでネタを扱える更新となっています。実は時事ネタの収集って結構な時間を喰うのです。その内に情報源を晒して(殆ど公刊情報だし、大概のネタ元は他の人も…

『信念と道徳』(3)

『信念と道徳』(3)劉亜州(参照1、参照2)(承前) 共通性の問題。我が軍幹部の三つの普遍的問題: 1,真実を話す勇気に欠ける、当然また真実を話す能力に欠ける。去年、中央軍事委員会と江主席の批准を経て、国防大学は正規の軍職にある幹部の研修班、俗称…

『信念と道徳』(2)

『信念と道徳』(2)劉亜州(参照1、参照2)(承前) (中略) 私には、中国における真のエリートと真の改革者は、軍にその大部分がいるとの視点がある。ここには一つの法則がある。すなわち、より文明的国家、より発達した国家においては、その軍は一つの保…

『信念と道徳』

『信念と道徳』劉亜州(参照1、参照2) 同志諸君、御機嫌よう。 本日は、本来大講堂で諸君に講演する予定だったが、私にはあの場所は大きすぎる嫌いがある。私が一人で寂しく主席台の上に座って、諸君が下のほうに襟を正して座る。それでは我々の間の距離が…

劉亜州について(2)

劉亜州に触れた以上(参照)、彼をして話題の人物へと押し上げたとされる、講演録『信念与道紱』でも訳さねばなるまいと思い、再び当該キーワードを検索した結果、以前に載せていたURLはこの講演録の内容の抜粋である模様。全くもって内容も確認せずに載せた…

胡さんがんばる?

コメント欄で1読者さんに教えていただき、また『日々是チナヲチ。』の御家人さんのエントリー「おお人民服だ。」を拝見して、なるほど、そういう読み筋もあるのか!、と偉く感動してしまったのでそのまま後追いでネタにする。 5月30日の『人民日報』第一版に…

中国の潜水艦で火災事故

中国の潜水艦が火災を起こして海南島に曳航されているとの報道がある。事故を起こした海域が台湾と海南島の中間辺りということで、台湾のマスコミも敏感に反応している。まずは第一報を報じた読売の記事を引用する。『読売新聞』「中国潜水艦、南シナ海で火…

劉亜州について

この記事は『大紀元』に転載されていた王怡による劉亜州を批判したエッセイの全文訳である。ソースが『大紀元』ということからも分かると思うが、全体に現体制に対する不信と軍人の政治干渉に対する強い警戒感の現れた文章である。私個人としては未だにこの…

呉儀副首相の会談ドタキャン(3)

呉儀副首相ドタキャンに関する新たな報道が流れている。ここで重要なのは呉儀のドタキャンが、彼女の帰国前に胡錦濤と曽慶紅との間で話し合われていたとう部分かと思われる。以前のエントリーでも触れたが(参照1、参照2、参照3)、このドタキャン事件に関し…

「曾节明:江泽民有卷土重来之势 」の全文訳

前回エントリーで引用した『新世紀』エッセイの全文。拙訳が至らず作者の本意が伝わらない場合の責は全て私に帰すこと申し上げる。原文も添えると大変長いので、日本語訳のみ上げておく。訳が怪しい部分があれば原文を参照されたい。『新世紀』http://www.nc…

呉儀副首相の会談ドタキャン(2)

反日デモとその鎮圧、また今回の呉儀副首相の訪日と小泉首相との会談をキャンセルしての急遽帰国したことに関して不穏な情報が流れている。この記事、某外電さんスレで目に留まったのだが、これが事実とすると中国の権力闘争は大分深刻な事態に立ち至ってる…