中国のプロパガンダポスター

 諸般の事情により長時間のネットサーフィンと言うのは不可能な状況にいるので(泣)、主にオフラインでネタを扱える更新となっています。実は時事ネタの収集って結構な時間を喰うのです。その内に情報源を晒して(殆ど公刊情報だし、大概のネタ元は他の人も既に利用してるかと思うけど)、そうした情報源を関心興味の一致する人の間に提供できたらと思うのですが、それはブロードバンド環境に復帰したらということで一つ。

 そんで、今回は閑話休題(ん?)。中国のプロパガンダポスターについて。世の中にはオカシナ趣味を持つ人が沢山いるようで、今回紹介するのはオランダ人(?)の好事家が収集しているらしい、中国のプロパガンダポスターの紹介。

『Stefan Landsberger's Chinese Propaganda Poster Pages』
http://www.iisg.nl/~landsberger/

 このURLで紹介されているプロパガンダポスターは膨大な数に上る。良くこれだけ集めたなぁと感心すること仕切り。49年から始まって反右派闘争、大躍進、文化大革命、改革開放と現代中国におけるエポックな出来事に関するポスター、変な標語などなど、そのコレクションは正に現代中国の歴史そのもの。マジで収集したこの人は偉いよ。

 で、こうしたポスターを眺めていくと、中国的な社会主義の成功像見たいのが見えてくるのだけれど、なんというか、伝統中国の「福禄寿」のイメージとか、中華的な「大同」世界のイメージと被る気がする。一般大衆をターゲットとする宣伝工作だけにそうしたイメージというのが採用されるのだろうけれど、逆に言えば中国における社会主義化、共産主義化という49年以降の動きをマスの部分でどう評価するべきなのかというのを考えてしまう。当たり前と言えば当たり前なのだが伝統的な或いは歴史的な惰性の中で中国もまた社会主義化を進めていたわけで、これまでの中国理解に対する分析枠組みというのはそうした側面をあまりに軽視していたように思う。

 などと小難しいことはともかく、ポスターとか標語自体が面白いので興味のある方は是非ご覧下さい。