2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中国農村の歴史的な因果は巡る

国家権力が郷村社会をその勢力範囲に包摂しようとする過程において、国家の財政が直接に郷村社会をコントロールするための官僚隊伍を支えきれないことから、国家は郷村社会に低コストの代理人を求める必要がある。しかしながら、国家の代理人の権力は異化し…

和諧社会は胡錦濤印の金太郎飴か?

香港の『大公報』は五中全会が10月上旬の最後の幾日かに開催されると報道している(註1)。この報道は9月25日付けの『香港文匯報』の報道とも符合する(註2)。更に日本の時事通信は具体的に10月10日前後に数日に渡って開催されるとしている(註3)。 『大公…

動き出す五中全会

香港文匯報の報道によると、第十六期五中全会(第十六期中央委員会第五回全体会議)の日程が近々開かれる中共中央政治局会議で決定されるとのこと(註1)。五中全会は中国の「国慶節」、つまり10月1日から始まる休日の後に開かれる可能性が濃厚である。また…

展開を見せる広東省番禺区魚窩頭鎮大石村の抗争事件

以前に何度か書いた大石村の件(参照1、参照2)が新たな展開を見せているので、事件のその後について書いてみようかと思う。 前回は9月1日の早朝に番禺区政府前に座り込み、ハンガーストライキに突入した大石村の村民が武装警察に排除されたところまで書いた…

踊る中共の権力核心-死せる胡耀邦、活ける胡錦濤を走らす(3)

前々回、前回の続きです。 更新が遅れてしまった。すでに話題としては遅きに失した感があるが胡耀邦の再評価の動きについて思うところを述べたいと思う。 こうした動きを先ず報じたのはロイター通信でそこでは、「国民に人気のあった胡耀邦氏の追悼集会は、…

踊る中共の権力核心―将を射んとすれば先ず馬を射よ(2)

前回の続きです。対台湾政策と抗日戦争観の変化 さて、胡耀邦絡みの話を始める前にもう一つの路線闘争、台湾政策についても触れておきたい。本来、江沢民時代と胡錦濤時代の台湾政策に大きな変化は無かった。両者は台湾では「江八点」と呼ばれる江沢民が提起…

踊る中共の権力核心−権力闘争はいよいよその核心へ?(1)

中共の権力核心周辺の権力闘争は、隠微なサボタージュ、人事を巡る陣取り合戦といった段階から、いよいよ路線闘争と自らの主張するイデオロギー同士の衝突へと突入しつつあるようだ。中国的な政治文化にあっては、路線闘争とイデオロギー論争は常に権力闘争…

抗日戦争勝利60周年記念大会にまつわる政治力学

9月3日に行われた中国の抗日戦争勝利60周年記念大会に関する評論などをつらつら読んで見ると、中国共産党の唱えるお経部分を除くと注目すべき点は以下の三点に絞られるかと思う。(1)胡錦濤との対立が囁かれる江沢民の動向、(2)胡錦濤は国民党が抗日戦争…

広東省番禺魚窩頭鎮大石村の事件に関する追記

事実誤認があったのでその訂正から。大石村の村民が座り込みを決行したのは魚窩頭鎮政府ではなく番禺区民政局である模様です。この点に関して前回の文章を訂正しました。更に後半部分事実関係が曖昧なのと9月1日早朝に座り込みをしていた村民が本格的に当局…

中国農民の目覚め?

写真は『RFA』より転載。勝手に転載もあれだが、多くの人にこの事件を知ってもらうほうがいいだろうという趣旨で敢えて。魚窩頭鎮政府の前で座り込む大石村の村民。 前回触れた広東省番禺魚窩頭鎮大石村で起きた村民委員会主任(村長)を巡る村民と各種基層…