「曾节明:江泽民有卷土重来之势 」の全文訳

 前回エントリーで引用した『新世紀』エッセイの全文。拙訳が至らず作者の本意が伝わらない場合の責は全て私に帰すこと申し上げる。原文も添えると大変長いので、日本語訳のみ上げておく。訳が怪しい部分があれば原文を参照されたい。

『新世紀』http://www.ncn.org/asp/zwginfo/da-KAY.asp?ID=64001%20&ad=5/27/2005「【学渊点评】江泽民上海帮与胡锦涛展开新一轮较量 曾节明:江泽民有卷土重来之势 」

【学淵点評】江沢民上海閥胡錦濤は新たな敗北を伴う抗争を展開

 学淵評:この文はこれ以上無いほどによく書けている、警句めいて言えば、「・・・・・・裸の王様、四面楚歌。この愚かで賢しげな共産原理主義の大独裁者は、警戒心が深ければ全てを騙しおおせると勘違いしている、・・・・・・その実は算盤勘定を間違えて・・・・・・歴史は創造力と胆略で書き直すもの・・・・・・たとえ人類の反動事業だったとしても、レーニン毛沢東はその様な悪の創造力と胆略を持っていた・・・・・・」見たところ、間抜けの胡某の政治生命は、もうすぐ尽きるだろう。

 曽節明「江沢民に捲土重来の勢有り」

 最近、忽然と中国大陸から江沢民が5月1日の前後に南京大虐殺紀念館に参拝したとの「旧聞」が流れてきた、この寓意は十分に強烈だ。目下、胡錦濤の内政、外交政策は全面的に挫折していると言う時期にあり、呉儀などの人を日本に派遣して、関係改善を求めての尻拭いをし経済援助や投資を呼び込もうとする正にこの時期に、江沢民が意気揚々と南京大虐殺紀念館を参拝したとの報は、胡錦濤を攻撃するという意図が明白すぎるということが無いほど明らかだ。

 江沢民のこの行動のニュースは、一度は胡錦濤勢力の封鎖に遭ったと思われるが、江勢力は国内販売を輸出に切り替えて、胡錦濤の愈々明らかになりつつある卑怯で無恥な眼前の事柄を海外に流し、その影響を広げ、声を上げ勢いを増そうとするその意図は明確である。

 それでは、江沢民はなぜ南京大虐殺紀念館参拝という手段を用いたのか?なぜこの時期を選んで胡錦濤を攻撃したのか?それは、現在が胡錦濤が総書記に就任して以来、最も虚弱な時期であるからだ。兵法に曰く、其の鋒芒なるを避け、其の薄弱なるを打つ。

 十六回党大会後、胡錦濤とその宦官総目付けである温家宝SARS前後のパフォーマンスで世を欺き、党内外の広範な信任と支持を騙し取った、これにより作り出された圧力は江沢民が二年後に退職して引くことを余儀なくさせたのだった。当時の胡温の声望は中天に日があるが如し、江沢民が反撃することができるようなものではなかった。江沢民が政権を去るに前後して、胡錦濤は矢も盾も堪らずその偽りの仮面を脱ぎ捨て、江沢民に比しても更に凶残な社会ファシストの邪悪な真の姿を露にした。すなわち、法輪功に対する弾圧を継続し、異議申し立て人士と権利を守ろうとする民衆に狂気じみた弾圧を加え、趙紫陽を追悼しようとする民衆を残酷に弾圧した(その残酷性は毛沢東や四人組の手法をを遥かに凌ぎ、事実中共建国後最悪の死者を追悼する権利を奪った事件だ)、さらに新聞媒体と文化の担い手に対する厳密な締め付けを行い、党員に対しては「保先」という愚党洗脳運動を推し進め、その規模は江沢民の行った「三講」を超えるものだ。また近頃、胡某人は金正日が頼りにしているような行動を行いつつある。『信訪条例』を新たに作って、民衆の集団陳情(陳情者は5人を越えてはならない)と越級陳情を厳重に禁止し、陳情民衆を北京の外で拒もうと企図している。これは、広範な弱者民衆層に対する北朝鮮式の凄まじい専制暴政を実施しようとするものだ。

 それゆえに、この二年来の胡錦濤の声望は急速に下降している。しかし、胡某人は却って地位を手に入れ、「団派」を抜擢することで、ますます思い通りに事が運ぶと勘違いしている。そして趙紫陽追悼を弾圧したのに続いて、またも悪事を為そうとしている。専制の民を虐げ世を欺く売国の反動路線を行くことますます遠くになるばかりだ。

 三月に出した『反分裂法』は、急速に内戦準備を進めるもので、台湾を攻撃するため内戦を戦う「法的根拠」を定めること意図している。しかし、胡錦濤は米国の自由世界を防衛する決心を過小評価し、西側文明国家の戦争に反対し戦争を厭う感情を過小評価し、台湾人民の家族を守り郷土を守り自由民主の成果を守る意思を過小評価した。『反分裂法』は全世界の強烈な譴責に遭い、米国は台湾への防衛協力を強め、米日同盟は強化され、欧州の武器禁輸措置解除は吹っ飛んだ・・・・・・これが国内で「御威光あらたか」な『反分裂法』の収穫である。

 この様な具合の悪い局面に直面して、胡某人はせかせかと日本の教科書、係争中の領土における挑発行為、国連安保理入りなどに乗っかって、民衆の仇日感情を利用し、全国各地の反日デモを扇動し、それによって人々の視線を逸らさせ、自らの過ちを覆い隠し、民族主義を利用して反動統治の「合法性」を増強しようとした。あにはからんや反日運動は「味が変わった」、新義和団反動は反対に西側の日本への同情を呼び起こし、日本も今回は食い下がり、激しく迫って、真っ向から対立してきた、以外にも初めて中共の歴史捏造の内幕にも踏み込んだのである。反日デモを鎮圧した張本人である胡錦濤は、言行不一致を気にも留めず、残酷にも反日保釣愛国人士、憤慨青年、憤慨老人を鎮圧し、軍部内の反日将校に圧力を加え、またも百年前の西太后義和団に対処したのと同じ下品な手段に出たのだ。

 胡錦濤のこの種の卑劣で無恥な行為は、社会大衆ばかりか、党内、軍部内の左中右、保守派、頑固派、タカ派、ファッショ派、さらには全ての未だ民族の自尊心を失っていない人士に真っ向から対立面を曝し、その敵を作った大きさは、推して知るべしである。

 失策を挽回するために、胡錦濤は急ぎ連、宋両党の大陸訪問を招待し、いわゆる「氷を破る旅」を展開して、再び世を欺くパフォーマンスを企てて、幻想を騙し取り、苦境を脱出しようとした。誰や知るらん、台湾社会は動かず、5月19日の国民代表大会選挙は国民党、親民党両党ともに再び敗戦したのだった。

 今回ばかりは胡某人も良い対応策を持たない。つまり一方ではウズベキスタンの血に染まった虐殺を「暴動鎮圧」の成功として全世界満天下の大事を恐れることもなく会見し、虐殺者カリモフ同志を支持し、一方では「忍辱負重」として、コソコソと日本大使館を修繕して、損失を賠償し、温家宝式のニセ開明派パフォーマンス詐欺師、呉儀を日本に派遣して関係改善を求め、経済貿易の利益と交換しようとする。しかし思い通りにはならず、呉儀の熱意は日本人に冷淡に扱われた。

 今度ばかりは一般民衆ばかりか、中共党内、軍部内の非胡派も我慢できないでいる。最近ネット上で曹剛川などの軍部の重鎮と胡錦濤との関係が緊張しているとの風説があり、少壮派の将校が胡錦濤に対して厳しく叱責し最後通牒を突きつけたと言う。火の無いところに煙は立たない。

 事実上、中共党内では、軍部内高層の胡錦濤に対する憎悪と闘争は二年に止まらない:

 まず江沢民勢力の胡錦濤勢力に対する闘争である。拙著『中共已处在公开分裂的边缘』でも触れたが、江沢民が退位した後、その腹心である曽慶紅は江沢民の心中では自身の後継者または代理人と目されている。自らの安全と利益のために、江と曽は胡錦濤が絶対的な支配権を獲得させることは絶対にないだろう。江沢民の支持のもと、曽慶紅をリーダーとする江勢力の胡錦濤などに対する暗中の闘争は愈々激烈なものとなっている。曽慶紅は胡錦濤の失敗に対しては波乱を巻き起こして、「紅旗を振りつつ反紅旗」の態で、資源大省である山西省の支配権を巡って、上海閥は「団派」人物である山西省の後継者王通智を除くことに躊躇しなかった。胡錦濤の手は未だ上海には伸びていない。

 もし同時の中共が分裂が公となる瀬戸際にいたのならば、現在、胡と曽の分裂は段々と公になっている:

 趙紫陽の死去が質疑されたころ、江湖両派は海外のネット上で激烈に闘争していた。上海閥の支援者である陳良宇はおおっぴらに胡温のマクロ調整に抵抗して、最近上海で世界最大の科学娯楽施設を建設すると発表した。また、上海当局は反日デモの初めと終わりで両極端の態度をとった、初めは極端な容認、胡錦濤が顔色を変えて後はまた極端な鎮圧である、さらには89年の四二六社論のような愚かな社論を発表して、故意に波乱を起こし、矛盾を激化させたのは、混乱を作り出すという意図が非常に明らかだ。また、胡錦濤は言辞をもって劉亜州などの愛国将校の活動に圧力を加えたが、反日鎮圧後の中央工作会議上、曽慶紅は公開で劉亜州に軍隊教育で教鞭を取ってもらうべきだと提起し、「民衆の声に耳を傾けるべきだ」と、国家を統治するには以前の指導者の教条を暗記してれば良いのではないと教条主義者の党マシーン胡錦濤に直接指摘した。胡錦濤の連宋に対する統一戦線を世間が褒めちぎっていたときに、上海閥の御用学者王亜夫は続けざまに批判し、それに冷や水を浴びせた。また曽慶紅は宋楚瑜を送別する前に胡錦濤の「一つの中国」の統一戦線の内幕を暴露して、「1949年以前は中華民国、1949年以後は中華人民共和国・・・・・・」と語り胡錦濤の「新思考」に期待し、幻想を抱いていた人たちに一撃を食らわせた。胡は曽にぶち壊しにされたわけだが、口に出しては言えないくるしい立場にあった。

 中共はすでに分裂を始めている。最近の軍人の胡錦濤に対する叱責と通牒が、さらに明確なシグナルだ。胡錦濤は下部に対して内部文章を発したが、そこには北朝鮮に学ぶ必要があるとされていたが、これは一般民衆が同意できないばかりではなく、腐敗官僚を含む中共党内の大多数派が同意できないだろ。『ニューヨークタイムス』の著名な記者紀思道(訳注:英文名不明 jisidao)が「中共はインターネット大戦で敗北するだろう」という一文の中で言っているが、江沢民や朱鎔基さえこれにはかなり「驚愕」したという。

 胡錦濤は現在では裸の王様であり、四面楚歌である。この愚かで賢しげな共産原理主義の大独裁者は、警戒心が深ければ全てを騙せおおせると勘違いしている。つまり、水も漏らさず人民を弾圧しさえすれば専制独裁を徹底的に実行できると勘違いしているが、実際は算盤勘定を誤っている。

 胡某人は共産党一党専制が廃滅するという歴史の必然を書き直したい。しかし、歴史は創造力と胆略で書き直すもので、簡単な模倣によってするものではない。江浙師翁周恩来の巧妙な手段や、化け物じみた技量によって変えるものだ。たとえ人類に危害を与えた反動事業だとしても、レーニン毛沢東はその様な悪の創造力と胆略を持っていたが、胡主席、あなたはこの二つの様なものを持っているのだろうか?あなたの身辺で虎視眈々としている人物に対して、あなたは水も漏らさない弾圧を加えることができるのだろうか?

 胡某人は専制売国反動退歩の一本の道を暗がりに向かって進んでいる、トリックのネタは尽きたが、いたる所で上手くやろうとして失敗して、負けが込んできた。胡錦濤が舞台から滑り落ちる趨勢はすでに明らかだ。

 江沢民がこの時期に胡錦濤の攻撃に出たのは、時機の選択として非常によい。本来、無徳無能の頭の固い賊、どうでもいい名すら失ってるということを鑑みれば、全くもって勝g小平が胡耀邦を引き倒した様に胡錦濤を引き倒す様な権威を持っていないのだが、この二年来の胡錦濤が行った江沢民に比しても更に反動的な悪政は、甚だしきに至っては一部の知識分子と民衆に江沢民を懐かしく思わせ始めている。胡錦濤は自分自身の首を絞めているのだ。

 目下、軍部は胡錦濤にとって最大の脅威だ、胡某人もまた軍部を防止するのに無力なのだ。しかし、軍部の倒胡の成果は江沢民勢力に美味しいところを持って行かれる可能性が高い、なぜなら軍部の倒胡派は党の高層に今のところその代理人を持たないからだ、それ故に江沢民が再び表舞台に登場するか、その代理人である曽慶紅が舞台に上がるというのが現在の情勢の趨勢である。
 
 今日の情勢を誰も予想していなかったわけではない。早くも2004年秋に胡錦濤中共中央軍事委員会主席の地位を獲得したときに、内外の多くの人士が胡某人に対して幻想を抱いた文章を物して、良い見方一辺倒だったとき、中国民主運動の先覚者陳泱潮氏は、江沢民は捲土重来して、故錦濤に取って代わる可能性があると指摘した。(陳泱潮『《圣经•启示录》对中共16届4中全会换马的预言』を見よ)

 江、曽ともに軍部内での権威に関しては圧倒的にかけている、曽慶紅は太子党出身でもあるが、また無原則の実用主義者で、教条主義の束縛を受けず、また軍部内での地位を急ぎ欲している、それ故に同じく太子党の劉亜州などの人物たちと協力する可能性が大きい。江沢民は西側の薫陶を深く受けており、専制独裁とは言っても金正日のあの様な形は受け入れない、賊民(沢民)が高齢であるというのも、胡某人と比べれば、野心と危害について限られてくることになる。江沢民はまたその骨格の中の親米腐敗分子ともに、台湾のために米国と開戦するなどという危険を冒すことは絶対に無いだろう。余人をして取って代わられることを防ぐためにも、江曽両人は胡の教訓を汲み取る必要がある。それ故に、江沢民の捲土重来は、専制独裁統治と言えども、中国の専制体制は新たに融通のきくものになるだろう。そして中国は江沢民の死亡に伴って、真の民主化の転機を迎えるようになる。

 しかしながら、目下いまだに危険な要素が存在する。すなわち、内政外交の困難と軍部の通牒に、胡温は追い詰められた獣がなお戦うように、権威を樹立し、反動統治を挽回し、乾坤一擲の勝負にでて、連宋への統一戦線を煙幕にして台湾に対する戦争を発動し、億万民衆を自分の陪葬者として引きずり込む可能性がある。これは推測し難い極端な危険要素だが、大多数の民主運動化人士、愛国人士は戦争を警戒して、戦争を阻止すべきである。

(『大参考』より転載)
(5/27/2005 19:21)
参考:新世紀 www.ncn.org 転載に際しては作者を明記し、出所を明らかにすること